《アルベニス再び!》鐵百合奈ソロコンサート 2024.12.08

この日もGROTRIANの調子が大変よく、
調律師さんも「申し分ない!」と太鼓判を押してくださるほどです。
百合奈さんに弾いてもらえるのが楽しみでしょうがないという印象でした。

百合奈さんは、シックな黒いドレスで登場。
客席の期待が一気に高まります……

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プログラム

アルベニス:《イベリア 12の新しい印象》第1巻
1.エボカシオン
2.港(エル・プェルト)
3.セビーリャの聖体祭

ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ《1905年10月1日の街角で》 変ホ短調
ヤナーチェク:《草かげの小径》第1集
4.フリーデクの聖母マリア
10.ふくろうは飛び去らなかった!

ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49
ショパン:ポロネーズ第6番《英雄》変イ長調 Op.53
ショパン:ポロネーズ第7番《幻想》 変イ長調 Op.61

前半のアルベニスは、夏のプログラムの再現です。
流れるような旋律の中に情感たっぷりと奏で、スペインの楽しいく賑やかな街や港を想像しました。

2曲目はヤナーチェクのピアノソナタ。
もともと3楽章まであったこの曲ですが、なんとヤナーチェクが燃やしてしまった…と、演奏前に百合奈さんから解説がありました。
その苦しいまでに憂う様子、思い詰めるほどの強い感情…
一つ一つのメロディや音色から、こちらに痛いほど伝わる演奏でした。

後半はショパンの幻想曲、英雄ポロネーズ、幻想ポロネーズ。

百合奈さんの英雄ポロネーズは、ありがたいことに何度も聴かせていただいておりますが、特に勢いと力強さがありました。演奏後、ブラボーの声が飛びました。
また、幻想ポロネーズでも、ブラボーの声が。

アンコール

カッチーニ:アヴェ・マリア

この曲は実際には、バロック時代のカッチーニの作品ではなくウラディミール・ヴァヴィロフによって1970年頃に作曲された偽作と言われているそう。自分の曲として世に出さなかったのは、曲を多くの人に聴いて欲しいという、曲への愛ゆえなのでしょうか。 

ショパンの迫力ある大曲を聴き、興奮気味の心を、アヴェ・マリアが心を静めてくれました。

百合奈さんの音色は、いつも心地よく癒やされます。
そして、情景が目に浮かびます。 

そしてトークは、専門的なことになると止まらない百合奈さんですが、終演後のお客様との面会では、愛らしい笑顔がいっぱいで写真撮影の列がなかなか切れませんでした。

photo by Y.Yamabuki

お客様の声

一音がなんであんなにもすごいのか!!!
(と何度も何度も感嘆されて、ベートーヴェンのCDを購入されていました)

ヤナーチェク作曲「草かげの小径」の「ふくろうは飛び去らなかった」左手のトレモロに鐵さんのパチン!としたフォルテと、その後の和声は柔らかく、和音なのにメロディがしっかり奏でられていて印象深かったです。
アルベニス 作曲の「イベリア」は3本の手を持つ優秀なピアニストが半分のテンポで弾けば弾けなくもないだろうと言われるほどの難曲です。2番の「港」など、スペインの地を想像させる魅惑的で素敵な曲でした。

初めて伺いましたが素晴らしい空間とピアノ。
きっといろいろ計算されて作られたホール。
大変気に入りました、これから毎回来ます!

次回

今年は、この百合奈さんのコンサートが締めです。
たくさんのお客様にお越しいただき感謝でいっぱいです。
また、年末年始いろいろな演者さんが試弾にお越しくださる予定ですので、どうぞ来年もお楽しみにしてください。

さて年明けは、百合奈さんと木村彩乃さんのフォルテピアノのコンサートから幕開けです。
ピアノフォルテがご専門の木村さんが当サロンの響きを大変気に入ってくださり、
どうしてもピアノフォルテでの響きを体験したいということで実現いたします。

百合奈さんとのピアノフォルテの連弾もなかなか聴けないプログラムです。
ぜひ当館でのピアノフォルテの響きをご一緒しましょう。

コンサートの後には、聴講ありの、ワンポイントレッスンも。
13時の部・18時の部とございます。
通し券のご用意もありますので、お時間の許す方はどうぞこの日は時間旅行してみては。

十八世紀から十九世紀初頭、
 作曲家たちが聴いた今とは異なる姿のピアノを、 
  当時を思わせるサロン空間で・・・

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