今回から4回シリーズで、
「変奏曲の軌跡とともに」が始まりました。
台風21号の影響で、お天気がコロコロと変わり当日まで分からない状況でしたが、当日は晴れ!
日高さんは、とても湿度に敏感で、ピアノは湿度が高いと鍵盤が重くなるので直ぐ分かるそうです。
雨模様ではなく安心!
(全てが終わり、日高さんは、私、晴れ女かも、と呟きながら、会場を後にされました。)
日高さんは、黒地に白いリボン柄の胸元の大きく開いた大胆でありながらシックと可愛らしさのあるドレスで登場。
このシリーズの見どころは、演奏はもちろんですが
第二部にアフタートークといたしまして、プログラム解説があることです。
日高さんの演奏は、先入観を持たずにファーストインプレッションを大事にして、皆様にお聴き頂きたいと。
第一部が演奏、第二部がアフタートークという構成でお聴き頂きました。
(お客様の声に記載しておりますが、第二部がとても好評でした!)
第一部 – プログラム
ベートーヴェン ヴラニツキーのロシア舞曲による12の変奏曲 イ長調
L.V. Beethoven : 12 Variationen über das Thema “Russischen Tanz” aus dem Ballett “Das Waldmadchen” von P.Wranitzky WoO.71
ベートーヴェン ピアノソナタ第15番「田園」ニ長調 Op.28
L.V. Beethoven : Sonate für Klavier Nr.15 “Pastorale” D-Dur Op.28
Ⅰ Allegro Ⅱ Andante Ⅲ Scherzo Allegro vivace Ⅳ Rondo Allegro ma non troppo Pause
バッハ=ラフマニノフ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータから プレリュード
J.S. Bach = S.Rachmaninov ; Suite from the Violin Partita in E major Prelude BWV 1006
カバレフスキー やさしい変奏曲 Op.40-1
Dimitry Kabalevsky : Easy Variations Op.40-1
プロコフィエフ ピアノソナタ第2番 二短調 Op.14
Sergei Prokofiev : Sonata for piano No.2 d-moll Op.14
Ⅰ Allegro, ma non troppo Ⅱ Scherzo Ⅲ Andante Ⅳ Vivace
最初の曲は、ベートーヴェンのヴラニツキーのロシア舞曲による12の変奏曲です。
あまり聴き慣れない曲でしたが、日高さんの演奏には透明感があり、10分あまりの変奏曲の中にベートーヴェンらしい手法がたくさん詰まっており、それを見事に表現されていました。
また、それが、2曲目の田園にも繋がりました。
ピアノソナタの田園は、ベートーヴェンが付けた曲名ではないようですが、のどかな美しい風景が目に浮かびました。(交響曲の田園はベートーヴェン自らが付けたと言われていますね。)
前半を終了したところで、ちょっとしたハプニングがありました。
日高さん、爪が割れてしまいました。応急処置はアロンアルファ…
スタッフがセブンイレブンに走り、購入。
無事に日高さんが休憩中に爪を直し、後半に入りました。
後半は、バッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータのプレリュードからスタートしました。
ラフマニノフ編曲によるバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータはどれもすごい曲です。日高さんの弾くプレリュードは、メロディがくっきりとしていて、心地良いです。
そして、カバレフスキーのやさしい変奏曲作品40-1。
曲の雰囲気が変わり。明るく快活で、可愛らしいさを感じた変奏曲でした。
最後は、プロコフィエフのピアノソナタ2番。
終始、複雑な音が絡み合い、力強い、切れ味よく弾かれていました。
第二部 – アフタートーク
演奏が全て終わり、ほんの少しの休憩で第二部トークに入りました。
日高さんは赤いミニドレスで登場。
皆さんから、おー!と驚きの声が聞かれました。
ベートーヴェンや変奏曲について、時折ピアノを弾きながら、
分かりやすく解説下さいました。
なぜプログラムの中にプロコフィエフのソナタが入っているのかなどが話され、
皆さま、頷きながら聞いていらっしゃいました。
アンコール
カバレフスキー:
プレリュード
フーガ
アンコールは、カバレフスキーのプレリュードとフーガでした。
全てが終わり、日高さんは、私、晴れ女かも、と呟きながら、会場を後にされました。
お客さまの声
解説の時間がとても満足感があるものでした。音楽には明るくなく全て理解できたわけではないのですが、音楽史や作曲家についても少し詳しくなったように感じられました。
前半の演奏はもちろん素晴らしいのですが、それと併せてとても贅沢な時間でした!
以前、こちらで日高さんを聴いたのですが、今回はトークがあり、初めて演奏家さんのトークを聞く機会にあいました。
なぜこの曲を選んだのかとかベートーヴェンの変奏曲について全く知らなかったことなので、勉強になりました。
いつ聴いても日高さんは素晴らしいのですが、今日もまた素晴らしく、ピアノの音色もバッチリで、聴いていて、嬉しくなりました。
日高さんのラフマニノフはよく聴いてきたのですが、ベートーヴェンもプロコフィエフも、良いなー凄いなー!っと、感心するばかりでした。
志野さんは細い体なのに、音色がダイナミックで、中でもプロコのソナタは私も好きな曲で、迫力ある演奏にワクワクしました。
またどうしてこのプログラムにしたのかなぁ〜と思っていたので、解説も聞けて良かったです。
いい音楽を聴いて元気になりました。ありがとうございました。
座ってた位置が日高さんの手の動きが良く見えるところで、すごいなぁと感動しながら見ていました
そして、いつ聴いても素晴らしい音色ですよね。
日高さんの音色は、雑念がなくて良い音色。
全て暗譜で弾いてくれるのが魅力。
どんな曲でも弾けて、改めて素晴らしいピアニストだと思いました。
後半のカバレフスキーの変奏曲は可愛らしくて、スピード感があって、それをさらっと弾かれ、プログラムのアクセントになっていました。
プロコフィエフのソナタ2番では日高さんの演奏はとにかくかっこよかったです。4楽章は繰り返される機械音のような左手に、右手のメロディが、映画で正義の味方が登場して悪を倒すようなイメージで聴きました。
日高さんは何を弾いてもセンスが良いと思います。スポーツでもそれぞれの競技でセンスの良い人がいるように。ピアニストはある意味、アスリートではないでしょうか。日高さんの日ごろの努力や精神力や感性、コンサートでの集中力、忍耐力、そして今回のような曲の解説まで、ほんとうにあらゆる能力を十分に発揮されていたと思います。日高さんが変奏曲として取り上げてくださったおかげで、「ヴラニツキー」という作曲家について調べることができ(モーツァルトの友人だった等)勉強になりました。ありがとうございました。
お知らせ〜次回
次回は、来年の3月2日です。ぜひ、日高さんの演奏とトークをお聴きにいらしてください。
ピアノリサイタル全4回シリーズ 変奏曲の軌跡とともに
vol.2 2025年 3 月 2 日 日曜 ベートーヴェン 15 の変奏曲とフーガ 変ホ長調「エロイカ変奏曲」op.35 他
vol.3 2025年 7 月 6 日 日曜 ベートーヴェン6 つのバガテル op.126 ブラームス 創作主題による変奏曲 op.21 他
vol.4 2025年11月 2日 日曜 ベートーヴェン ディアベリのワルツの主題による33 の変奏曲 ハ長調 op.120 他
