爽やかな五月晴れのなか、リサイタルが行われました。
会場入口には、鯉のぼりが描かれた絵皿が。そして、菖蒲に見立てたお庭に咲いていたジャーマン・アイリスが香りと共に皆様をお迎えしていました。
プログラム
G. フォーレ:組曲「ドリー」 作品56
子守歌 / ミ・ア・ウ / ドリーの庭 / キティ・ワルツ / 優しさ / スペイン風の踊り
M. ラヴェル:マ・メール・ロワ
眠れる森の美女のパヴァーヌ / 親指小僧 / パゴダの女王 レドロネット / 美女と野獣の対話 / 妖精の園
R. シューマン:小さな子どもと大きな子どものための12の連弾小品 作品85より
誕生日の行進曲 / 庭園のメロディ / クロアチア人の行進 / 噴水のほとりで / 夕べの歌
G. ビゼー:子どもの遊び 作品22
ぶらんこ(夢想) / こま(即興曲) / お人形(子守歌) / 回転木馬(スケルツォ) / 羽根つき(幻想曲) / ラッパと太鼓(行進曲) / シャボン玉(ロンディーノ) / 陣取り鬼ごっこ(スケッチ) / 目かくし鬼ごっこ(夜想曲) / 馬とび(奇想曲) / 小さな旦那様、小さな奥様(二重奏) / 舞踏会(ギャロップ)
イプシロン ピアノデュオ リサイタルのシリーズ第1弾のタイトルは“子どもの日に贈る”。「童心にかえる」をテーマに、選ばれた曲の数々は、どれも無邪気な音色や曲ばかり。幼子が楽しそうに遊ぶ様子や、幼き頃に遊んでいた風景を彷彿とさせる時間。手指が多い連弾で繰り広げられる心地よいリズムに心も踊らされました!
シリーズ第1弾は、童心にかえる。
プログラムは…
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フォーレやラヴェル、シューマン、そしてピゼーの曲目でしたが、全部で27曲
タイトルを読むだけでも、童心が蘇りそうなものばかり。
一曲目は、フォーレのドリーの子守唄。
優しく温かな音色が空間に広がり、気がつくと、身体が、心地よく揺れていて、揺りかごに揺られ、包まれているような心地よい曲で始まりました。
そして次々と
いろいろな表情や輝きを見せながら、息ぴったりの演奏が披露されました。
後半
ビゼーの曲では、子どもの遊びが曲名になっております。
時にはリズミカルに跳ねたり、ワルツのような踊る感じであったり。
と、無邪気な子供ごころの表情がみられ、こちらも情景が目に浮かびます。
「ぶらんこ」ではぶらんこのゆったり揺れる様子、
「こま」では、こまが、ブルン!と勢いよく回る様子が低音から高音までが面白いほどに弾け回り、心も弾けました。
曲はいずれも幼き頃が目に浮かぶような曲。
「お人形」「回転木馬」と、最後の「舞踏会」まで続きました。
アンコール曲は、牧神の午後への前奏曲(ドビュッシー/ラヴェル編曲)でした。
終演後に、お二人に感想を伺いましたが、
弾きたいように素直に弾くだけで、無理せずに曲が自然と一つにまとまることができたそうです。
また、それでいて、音が一つ一つよく聴こえ、「GROTRIANは、連弾にもとても合うピアノだ!」と感じてくださったそうです。
お知らせ〜次回のリサイタル
次回、第二弾は11月17日日曜日!
バレエ音楽をメインのプログラムをお考えだそうです。
クリスマスも近づく時期、くるみ割り人形も考えられているとか。
ぜひ、お越しください!
演奏者プロフィール
イプシロン ピアノデュオ/Ypsilon Piano Duo
ベルリン芸術大学大学院在学中からピアノ・デュオとして活動を開始し、同大学室内楽科を修了。2019年より活動拠点を国内に移し、「Ypsilon Piano Duo」として演奏活動を行う。 ドイツ国内、または欧州各地にて演奏を行うほか、ドイツ・ポーランド善隣友好条約締結25周年記念コンサート、ドイツのラジオ放送局Deutschland Kultur Radioに出演。Junges Ensemble Berlinと共演し、ベルリンのフィルハーモニー(大ホール)でデビューするなど、活動は多岐にわたる。
北端祥人/Yoshito Kitabata
大阪府出身。2016年、第6回仙台国際音楽コンクール第3位など、これまでに数多くの賞を受賞している。京都市立芸術大学、同大学院を首席で修了後渡独し、ベルリン芸術大学修士課程ソリスト科、および同大学室内楽科を修了。ソリストとしてリサイタルに加え、東京フィル、仙台フィルと共演、室内楽奏者としても多くの音楽家から絶大な信頼を寄せられている。これまでに佐々木弘美、大川恵未、椋木裕子、上野真、マルクス・グローの各氏に師事。東京音楽大学、東京藝術大学附属音楽高等学校の非常勤講師として、後進の指導にあたっている。
photo by Uwe Neumann
守重結加/Yuka Morishige
桐朋学園大学音楽学部、ベルリン芸術大学修士課程修了。ヤマハ音楽振興会留学奨学生。エドヴィン・フィッシャー国際ピアノアカデミーにて第1位(聴衆賞)を受賞し、ポツダムでソロリサイタルに出演した他、ベルリンのフィルハーモニー(大ホール)にてピアノ協奏曲のソリストを務めるなど、ヨーロッパ各地、韓国で演奏会に多数出演。2022年「シューベルト 即興曲集D899&ピアノ・ソナタ第21番D960」がオクタヴィア・レコードよりリリース。レコード芸術最終号「とっておきの愛聴版」に掲載される。桜美林大学 芸術文化学群音楽専修ピアノ科非常勤講師。
photo by Ayane Shindo