【コンサート開催録】2022.2.27 佐藤彦大さん

2021年4月、ピアナリウムオープニングのこけら落とし第2弾で、バイオリンの黒川侑さんと共演されて以来、ピアノソロで6月、さらに10月、そして今回、と公演を重ねてくださいました。
コンサートのプログラムを頂いた時から、コンサート2回分ぐらいの内容の濃いプログラムで何とありがたい!とことある毎に思っておりました。これが、お客様にも伝わったのでしょうか?ピアナリウム初のキャンセル待ちとなりました。しかし、運よく、キャンセル待ちの方にもお越しいただけ、聴いていただくことができました。

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プログラム

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
        第1楽章: Largo – Allegro 
        第2楽章: Adagio
        第3楽章: Allegretto
シューマン: 蝶々 Op.2

ドビュッシー: ベルガマスク組曲
                      第1曲: 前奏曲
                      第2曲: メヌエット
                      第3曲: 月の光
                     第4曲: パスピエ
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36(1931年版) 
                     第1楽章: Allegro agitato
                      第2楽章: Non allegro – Lento
                      第3楽章: L’istesso tempo – Allegro molto

 緊張感漂う「テンペスト」は、1楽章の激しさや2楽章の穏やかさ、3楽章の苦悩や強い意志など、吸いつくような感情の起伏が伝わってきます。音楽は前へ前へ進むのですが、フレーズごとのニュアンスは絶妙です。
 一転、ワルツのようなシューマンの「蝶々」は、詩的なメロディや繊細な和音も正確で品が良く、さなぎから蝶への変化にとんだ羽の舞が、シューマンの音楽のイメージを膨らませてくれました。
 ドビュッシーがイタリア留学中に旅行したベルガモ地方にちなんで名づけられた「ベルガマスク組曲」は異なった性格の4曲からなり、中世ヨーロッパの風情を感じさせる演奏でした。中でも「月の光」の、水面に映る月の光がゆっくり揺らいでいる光景は、何世紀の時を経ても変わらない感覚に感じられました。
 舞台袖から登場し拍手が鳴りやまないうちに始まったラフマニノフの「ピアノソナタ第2番」は、その作品に対する想いの表れでしょうか、佐藤さんの濃い迫力のある音楽は、忘れられない演奏となりました。

お客様からの感想

彦大さんの演奏すばらしかったですね
テンペストは大好きな曲の一つですが、素敵でした。
シューマンの蝶々は初めてお聴きした曲なのですが、ひらひら紋白蝶ではなく、気高い鳳蝶のイメージですね。ドビュッシーは月の光が一番よかったです。幻想的な曲を聴くのにピアナリウムはバッチリ合っていると思いました。
ラフマニノフは、彦大さんの熱はバッチリ伝わってきたのはよかったと思います。その後に、荒れ狂っていた波(笑)を鎮めるような、羊さんとトロイメライが絶妙でした。
総じて、とっても良い時間でした。ありがとうございました。

満席のコンサート、大変充実した内容で楽しませて頂きました!

佐藤さんのピアナリウムでのコンサートは大好きでこれで3回目の来場です。
佐藤さんとグロトリアンの音色が何よりも好きです!

とても贅沢な空間、経験で、演奏を全身に浴びたような感覚でした。ラフマニノフソナタを、集中力を切らさず聴けたのは初めてかもしれません。
またお伺いしたいと思います。本当にありがとうございました。

佐藤さんの魅力は増すばかり、趣味でピアノを弾く者にとって大変興味深いです。その日出会ったピアノを瞬時に見極め、聴衆に届くようコントロールされながら弾くのか、あるいは初めて出会ったピアノに、直感的に「こう弾こう」と指が動くのか、今度お聞きしてみたいです。

ひょんな事から、近隣の住宅街にとてもステキな隠れ家的ピアノサロン@Pianariumがある事を知りました。
週末、サロン&ピアノの見学がてら初めてお邪魔しました。この日のピアニストは佐藤彦大さん、プログラムはベートーヴェン テンペスト/シューマン パピヨン/ドビュッシー ベルガマスク/ラフマニノフ ソナタ2番 と、名曲盛り沢山!!
ピアノメーカーに疎い私、「グロトリアン」の名前を知ったのも音色を聴いたのも人生初なのですが、とても温かみのある優しい音色。ソナタの緩徐楽章やベルガマスクの月の光にピッタリ。それでいて、ラフマニノフは力強く鳴り響き、佐藤さんが多様な音色を引き出して下さったこともあり、楽しめました。佐藤さん、とても気さくな方で、演奏後のトークも面白くステキなお人柄も伝わってきました。音響もよく、設備も整ったとてもステキなサロンでした。30席ほどのこじんまりりした空間なので、一番後ろの席でも演奏者の息遣いや振動が伝わってきて、特にラフマニノフのコーダは圧巻!!あんな間近で大好きな曲の数々を堪能できて、幸せなひと時でした。(ご来場の方のinstagramより)

館長より

コンサートのプログラムを頂いた時から、コンサート2回分ぐらいの内容の濃いプログラムで何とありがたい!とことある毎に思っておりました。
そして、それは、お客様にも伝わったのでしょうか?ピアナリウム初のキャンセル待ちとなりました。
しかし、運よく、キャンセル待ちの方にもお越しいただけ、聴いていただくことができました。
佐藤さんは、コンサートでいつも期待以上の演奏をして下さり、どの曲も佐藤さんの魅力の世界に惹きこまれて、会場は満足感に包まれ、興奮で熱くなりました。
終演後は、佐藤さんの周りは、笑顔いっぱいの学生さんたちで、楽しいキャンパスライフを垣間見た気がしました。
音大大学院生が「GROTRIANの音色を聴くのははじめてで美しい音色。この大きさで、フルコンのような音を出すピアノは見たことがない!」と驚かれていたのが印象的でした。
いつも素晴らしいプログラムと演奏をしてくださる佐藤さんに感謝し、そして、ご来場し、感動を共にしてくださる皆様にも感謝いたします。

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