【コンサート開催録】2021.4.11こけら落とし第2弾:黒川侑さん×佐藤彦大さん

Pianarium SAKAMOTOです。
先日終えた、こけら落とし第二弾の感謝と感想をこちらに記録させていただきます🍀

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豊潤なピアノ、吹き抜けのような空間

まず、リハーサルでのお話が印象的だったので、そちらからご紹介させていください。

佐藤さんはグロトリアンを初めて弾かれたそうです。
ピアノを弾いて一言、

「ホウジュン!!!!!」

と言われ、
それに対し黒川さんも
「うん、そうだね!」
と頷いていらっしゃいました。

【ホウジュン-豊潤】
「豊潤」は、「豊かでうるおいがあること」を表し、楽器の音色などの趣のある様子や、食べ物のみずみずしい様子について言い表す場合に使われる言葉です。
「バイオリン特有の豊潤な美しい音色を聴いていると自然と心が落ち着いてくる」(バイオリン特有のしっとりとした趣のある美しい音色を聴いていると自然と心が落ち着いてくる)
引用:https://study-z.net/100025989/4

お話の中でだったので、豊潤?芳醇?とわからず調べますと、豊潤には音色を表す際にも使う言葉なのだと学びを得ましたので、メモをかねて共有させていただきます。


また、当ピアナリウムは、一軒家の一階部分にあり、天井は決して高くありません。しかし、黒川さんは「不思議と吹き抜けで弾いているかのような音が出る」とお話されていました。

それは、音響や設計の専門の方の綿密な研究の結果であり、「小さなサロンでありながらホールのような音色と響き」これが我がサロンの特徴でもあります。

リハーサル中のお二人は、時折、笑顔や笑い声が交じり、二人で演奏できる喜びを感じているようでした。

プログラム〜前半〜

まずは
ベートーヴェン作曲 モーツァルト「フィガロの結婚」よりアリア「伯爵様が踊るなら」の主題による12の変奏曲
親しみやすいメロディで、ピアノだけの変奏やヴァイオリンが伴奏のようなところもあり面白かったです。

つづいて
ピアノソロ
ショパン作曲「舟歌」 作品60
水にゆれるようなゴンドラのリズムに息の長いメロディが続き、大きな一つのフレーズのように感じました。佐藤さんは音楽に身を任せるようにとうとうと歌い上げ、そして最後の控えめな高音から情熱的な低音までを劇的に演奏してくださり、とても印象に残りました。

前半最後は
ストラヴィンスキー作曲ドゥシュキン編曲「イタリア組曲」
「イタリア組曲」を初めて聴いたのはこの6曲からなるヴァイオリンとピアノ版(もとはイタリアのペルゴレージが作曲した素材を用いてストヴィンスキーがバレエ音楽「プルチネルラ」に編曲し、自身が室内楽に編曲、さらに友人がヴァイオリンとピアノに編曲)でしたが、黒川さんの弾く「イタリア組曲」は最高に魅力的です。
バロック調なのに近代的(時には不協和音も)な和声や調性が新古典主義といわれ、躍動感あり、スリルあり、終曲のメヌエットとフィナーレはお二人の演奏も最高潮に達し、圧倒されました。興奮で心臓がバクバクし、時折、鳥肌が立ちました。
全身で音楽を受け止め、浴びていました。言葉では表現できないほどです。

プログラム〜後半〜

マスネ作曲「タイスの瞑想曲」
静かなしっとりとした曲では、黒川さんの弓が繊細で、それでいて最後まで美しくしっかりとした音で、ホール全体に響くのです。

フランク作曲「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」
フランクの晩年、友人で大ヴァイオリニストのイザイに、結婚のお祝いとして献呈されました。イザイは大変気に入り、生涯にわたり世界中で演奏したそうです。その美しいメロディと構成力、内面的にも強い情熱を感じるこのソナタは、多くのヴァイオリニストやピアニストの憧れの曲であり、ヴァイオリン曲のなかでも特に人気があります。

お二人の息がピッタリ。
会話のようでもあり、あるときはピアニストが主導権を握って、ヴァイオリンがそれに応えます。
終盤、気が付くと、唸るほどにピアノの音の厚みがどんどん増して、黒川さんのヴァイオリンと、佐藤さんのピアノが一つになり、聴く側を大きく包み、異空間そのものになりました。

お二人の演奏に時折聞こえるお二人の息遣い、それが間近にホール全体に聞こえるというのは、このサロンの最大の魅力でもあります。

黒川侑さんのご挨拶とアンコール

「このような状況の中、聴きにきてくださりありがとうございました。また、pianarium SAKAMOTOさんのように、皆さんの前で演奏させてもらえる機会を作ってくださり感謝しています」

ご挨拶のあと、アンコールを演奏してくださいました。

ポンセ作曲 ハイフェッツ編曲「エストレリータ(小さな星)」
メキシコの作曲家ポンセの、代名詞のように思われている親しみやすい小品。もとは歌曲として作曲された美しい名旋律を、ハイフェッツによって転調や変奏を加えヴァイオリン曲に編曲されました。この素敵な曲を、佐藤さんの魅惑的なピアノにのせてヴァイオリンの黒川さんがロマンティックに奏でてくださり、会場のお客様もうっとりしているようでした。

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最後に

お二人の豊かな感性が素晴らしい音楽の時間をもたらし、黒川さんのヴァイオリンの音は喜びに溢れ、ピアノも佐藤彦大さんに魅力を引き出してもらい、幸せだったことでしょう。
観客の皆さまもお二人の演奏に酔いしれ、幸せを感じてくださったら幸いです。

快く弾いてくださった黒川侑さんと佐藤彦大さん、
聴きにいらしてくださったお客様、
調律師さんや関わってくださった方々、
皆さまに感謝いたします。

そして、このサロンを作るために関わってくださった多くの方々にも、改めて感謝を申し上げます。

ご来場のお客様より

演奏後すぐには動けないほど、余韻に浸っていたみなさまから、たくさんの感想をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

帰りの車のなかで子どもたちと盛り上がり、ヴァイオリニストの右手の指弓が綺麗で、それが音に反映されていて感動し、余韻に浸っていました。

柔らかく温もりのある音と、時にエネルギッシュで情熱的な音を出す時の表現の幅が広く、一曲の中で色んな音色が楽しめた素敵な演奏でした。

演奏者のためのホールだと感じました!ハイレベルのお二人の奏でる音が、どんどん高めあっていて、演奏の喜びにあふれている思いが伝わってきました。
音の響きが素晴らしいです💕
サロンで音楽会を経験したことは数回しかありませんが、一番の音色です❗
また行きたいな、と思える場所ができ、とても嬉しいです🤗

素晴らしいピアノがその使命を果たすことができる、響きの良いサロンを創られた、そのことにまず感動しました。
また、スタッフの皆さまのあたたかく落ち着いたご対応により、演奏前の心が整えられたように思います。

そして、黒川さんと佐藤さんの演奏💖素晴らしかったです。実はもうちょっと軽めで有名な小品を沢山演奏されるのかな?と思っており、私にはそれでも十分だったのですが、良い意味で大きく裏切ってくれました✌️😊
こんな少人数でお聴きしてしまうには勿体ないほどの演奏だったと思います。
至近距離でお二人の息遣いも伝わってきて、その深い呼吸が安定した演奏を支えているのだなあと感じたり。。。
本当にこんな贅沢な演奏会をありがとうございました🤗

黒川さんのヴァイオリン、高音の繊細な音色や低音のあたたかい熱を放つような響き。。。とても素敵でした💖個人的には弱音が静寂に向かって行く時の感じがツボでした。黒川さんと一緒に耳を澄ましていました‼️

そして購入させていただいた佐藤さんのCDを、今お聴きしています。アンコール用の小品集という感じでしょうか。
このようなテイストのCDは大抵オリジナルではなく、複数のCD録音から寄せ集めたりしているケースが多いのではないでしょうか?
このCDは佐藤さんが全て演奏されている、レアな作品だと思いました‼️

Pianarium SAKAMOTOのピアノの響きも素晴らしかったです。CD録音のスタジオとしてもよいなあと思いました。

いや〜よかった。フランクの2楽章。音圧が!ホールいっぱいに、ビリビリ溢れていた。こんなことがあるのか?不思議な体験だった。

聴いていて”心地よい”というのはこういうことなんだ~、と気がつきました。

1曲終わるたびに、楽章がひとつ終わるごとに、コンサートが終わりに近づいてしまうという感情と、途中、お二人の天まで昇るような演奏に、何度も泣きそうになりました。
響きのよい空間と、ピアニストの要求に柔軟に応える音色豊かなピアノと、素晴らしい演奏、そして温かいお客様がいらっしゃれば、それは最高の音楽会になるということを教えてくれました。その証拠に、終演後、お客様はしばらく余韻に浸って立ち上がれないようでもありました。
動画やCDでは体験することができない、生演奏の醍醐味を充分に味わいました。

とても心地よい時間でした。スタッフの皆さまのウェルカム感が伝わってきてあたたかく迎えておられました。使い捨?スリッパや換気など感染対策も十分だったと思います🤗

運営やスタッフに関してもあたたかいお声をいただき、大変励みになります。ご来場いただきましたみなさま、本当にありがとうございました🍀

お二人の今後のご活躍は以下より

黒川侑さん 公式サイト

佐藤彦大さん Twitter

佐藤彦大さん Youtube Channel

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