《ブラームス ヴァイオリンソナタ 全曲演奏会》吉江美桜&原嶋唯 2024.10.27

原嶋さんが春にソロコンサートをし、当館の雰囲気を大変気に入ってくださりました。
「ぜひデュオを」と素晴らしいヴァイオリニストの吉江美桜さんのお声をかけて頂き、今回のコンサートが決まりました。
吉江美桜さんは、エリザベート王妃国際音楽コンクール、ヴァイオリン部門で、セミファイナルまで進んだ実力派です。ずっと楽しみしていました。

いよいよ本番前日の17時からリハーサル。
その直前まで吉江さんは本番があり、ご多用の中、お越しくださりました。
2時間程、びっちり弾いてお帰りになりました。吉江さんの音色は、太くしっとりとしていて、艶のある、言葉では言い尽くせないほど美しく素晴らしい音色でした。

当日も朝早くからお二人で音合わせをし、熱心に吉江さんは音を確かめるように、お昼休憩の時間にもお一人でずっと弾いておられました。
より良い演奏をと追求しているようでした。

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プログラム

モーツァルト ピアノソナタ第17番 変ロ長調 KV.570 

ブラームス 6つの小品op.118より2.3番 

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番 ハ短調「悲愴」

シューベルト ピアノソナタ第13番イ長調 D.664 

ショパン ピアノソナタ第2番 変ロ短調 「葬送」」

お二人の演奏は、終始息がぴったりでただただ素晴らしく、表す言葉が見つかりません。

一つ強く心に残った部分を。

後半は吉江さんのトークからはじまり、
そして、ブラームスのヴァイオリンソナタ1番を。
この曲は、シューマンの息子に送った曲と言われており、愛に溢れた曲で、ブラームスが特に力を入れたのが第2楽章だそうです。 こちらの曲もお二人の演奏は、息がぴったりでこちらも二人の世界に惹き込まれ、時を忘れ聴きいりました。 そして、一流の音楽をこの空間で演奏してくださり、それを聴けたことに、ただただ感謝するのみでした。

スタッフの感想

吉江さんも原嶋さんも、ほんとうに素晴らしかったです。
お二人のおかげでブラームスにどっぷり浸ることができました。

10年ほど前までブラームスのヴァイオリンソナタをちゃんと認識していませんでした。
ヴァイオリンのコンサートに行くうちに、多くのヴァイオリニストが、ブラームスのソナタ全3曲を、特別に思っていることがわかってきました。

専門に勉強する音大生にとってはおそらく避けては通れない曲であり、
ですから、学生時代に必ず勉強して、そして音楽家になられて、演奏会で改めて取り上げるべき作品(取り組みたい作品?)なのかな、と思います。

今年も何度かブラームスの、原嶋さんと吉江さんの”マイブーム”と同じヴァイオリンソナタ1番を聴きました。
私も1番が一番好きです。
1楽章で決まって泣きそうになるところがあります。
ピアノが同じ和音を2回ずつ休符を入れながら下降してくる和声を聴くとじわんとしてきます。

原嶋さんの情感のこもっているところはどこまでも柔らかく、
そして決然とした箇所では姿勢がピンツ!!となって、音色も変わります。
ねばるところもフォルテシモも聴いていてとても心地よかったです。

吉江さんのヴァイオリンは原嶋さんの表情豊かなピアノに乗せて、たっぷりのブラームスをホール空間の隅々まで届くように聴かせていただきました。
聴きながら、原嶋さんのトーク(“ブラームス”で浮かんだ吉江さん)を思い出し、納得しました。

お二人のブラームスはお二人で演奏されたことで何倍もの魅力に感じました。

また、別の作品でのデュオをお聴きしたいと思いました。
ありがとうございました。

お知らせ〜次回のコンサート

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