《イプシロン ピアノデュオ リサイタル vol.2「華麗なるオーケストラの世界」》北端祥人・守重結加 2024.11.17

華やかで壮大で愛に溢れ、年末にピッタリのプログラム。
スタッフ一同また聴きたいです!来年もぜひこのプログラムでやって頂けたらと思います。

1台のピアノとは思えない。
Pianarium SAKAMOTO始まって以来のスケールの大きさ。
素晴らしく華やかなコンサートだったかもしれません。

それもそのはず。
お二人とも、スコアを見ながら、オーケストラの楽器を想像し、演奏していたそうです。
また、
今回のピアノは、タッチが軽く感じる。
出したい音が出せる素直なピアノ!
とお二人が口を揃えて仰っしゃっていました。

余談ですが、調律をしてくださる津田さんは、
当館のGROTRIANを知り尽くしていて、素晴らしい調律師さん。
表からは見えないところで支えてくださる津田さんにも感謝でいっぱいです。

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P. I. チャイコフスキー
バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71a (E. ランゲルによる4手連弾版)
小さな序曲
行進曲
こんぺい糖の精の踊り
ロシアの踊り トレパーク
アラビアの踊り
中国の踊り
あし笛の踊り
花のワルツ

F. シューベルト(F. リスト編曲)※守重ソロ
糸を紡ぐグレートヒェン
魔王

J. S. バッハ(S. ラフマニノフ編曲)※北端ソロ
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006より ガヴォット

F. クライスラー(S. ラフマニノフ編曲)※北端ソロ
愛の喜び

A. ドヴォルザーク 
交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」(作曲者による4手連弾版)
第1楽章 Adagio – Allegro molto
第2楽章 Largo
第3楽章 Scherzo. molto vivace
第4楽章 Allegro con fuoco

第一曲目はチャイコフスキーのくるみ割人形。
北端さんのトークから始まりました。リハーサルの時から、北端さんと守重さんは、チャイコフスキーは天才、その偉大さに感動していたそうです。

その感動は演奏にも表れていました。
チャイコフスキーのくるみ割り人形は女の子が夢の世界に迷い込んで繰り広げられるお話ですが。そのお話ように、こちらも夢のような音の空間に包み込まれ、鳥肌を立てながら聴きました。
終始息がぴったりで、身体全身で演奏、表現されていました。
GROTRIANの音色が連弾で華やかに響き、贅沢な演奏。

第二曲目、
守重さんのソロ演奏です。
シューベルトの”糸を紡ぐグレートヒェン”は、左が終始同じ音を繰り返し演奏され、それが、糸を紡ぐ音を表しているそうです。
魔王との出会いは、小学生の時の音楽の教科書。初めて弾いたのは中学の時。オクターブが多く大変でそれ以降は弾かなかったそうですが、30歳を過ぎて弾くようになったと仰っていました。
普段の守重さんからは想像もつかないような手指の忙しさと迫力に圧倒された。

北端さんのソロは、バッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ3番よりガボット。
今年から東京藝大の器楽科でいろいろな弦楽器の伴奏をする機会が増え、少しでも弦楽の人の気持ちを分かったらよいと思い、ヴァイオリンを始められたそうです!ボウイングを少しかじった知識と仰っていましたが、それに少し通ずるものがあるとこちらを選曲してくださりました。
ソロ2曲目、ラフマニノフ編曲のクライスラーの愛の喜び。
とてもおしゃれであるが難しいと北端さんは言われて演奏。しかし、聴いているこちらは難しそうな様子は全く感じることがなく、ただただ愛が満ち溢れ華やかでした。
演奏が終わるとブラボーの声が飛びました。

後半のドヴォルザークの新世界。
静かに終わるのは故郷への想いからだそう。

高野辰之作詞・岡野貞一:ふるさと

故郷への想いから、アンコールも日本のふるさと。
情緒あふれる演奏で、しっとりと優しい気持ちになりました。

終演後には、公開レッスンがありました。
北端先生、守重先生、各2名ずつ。
計4名がそれぞれ30分のレッスンを受けました。

皆様公開レッスン前に、順番に練習の時間がありました。
練習の時からどなたもお上手だなと聴いておりましたが、
公開レッスンが始まり、先生のちょっとのアドバイスでガラッと変わっていました。

短時間でしたが、聴講をさせていただいた私たちにとっても、密度の濃い貴重な時間となりました。

このピアノは、木の音がする。よくアンティクのピアノであるが、最近のピアノは、金属の音がするがこのピアノはアンティクの木の音色がして、自分は好きだと言われた方がいらっしゃった。

とんでもなく素晴らしいコンサートだった。ピアノとお二人の演奏がバッチリと空間に広がり、鳥肌ものだった。。

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