連日梅雨空が続く中での開催でした。
しかし、なんと大崎さんは晴れ女だそう。
曇りときどき雨の微妙な予報でしたが、
お客様がお越しの時間もお帰りの時間も雨が降らず。
演奏中は晴れ間も見えるほど。
演奏も梅雨らしくしっとりとした情景と
梅雨を忘れるような爽やかさを感じられる演奏。
どちらも楽しむことができ
天気も私たちの気持ちも終始晴れやかに。
完璧な晴れ女でした。
プログラム
ハイドン : ピアノソナタ第53番 ホ短調 Hob.XVI:34
Ⅰ Presto
Ⅱ Adagio
Ⅲ Vivace molto
シューベルト : 4つの即興曲 Op.90 D899
第1番 ハ短調
第2番 変ホ長調
第3番 変ト長調
第4番 変イ長調
ラモー : ガヴォットと6つのドゥーブル ラヴェル : ソナチネ
Ⅰ Modéré (中庸の速さで)
Ⅱ Mouvement de Menuet (メヌエット)
Ⅲ Animé (生き生きと)
フランク : プレリュード、コラールとフーガ ロ短調
一音一音丁寧に真心こめて全身で歌うように演奏され、
その姿と演奏は会場と一つの世界になっていました。
前半オーストリアの作曲家のハイドンとシューベルトの作品。
シューベルトの4つの即興曲Op.90 D899は、シューベルトが亡くなる前年に書かれた作品で、感情の揺れがある作品ですが、大崎さんの演奏には優しく温かいぬくもりが伝わってきました。シューベルトは31歳という若さで亡くなりましたが、シューベルトは人生を旅する旅人だったそうです。
後半はフランスの作曲家。
ラモー、ラヴェル、フランク。
大崎さんは、
バロックのエッセンスが入った曲がお好きということで選んでくださった、ラモーのガヴォットと6つのドゥーブル。ラモーはチェンバロ奏者でもあったそうで、大崎さんの音色も、前半とは変わり、チェンバロのようでした。
そして、ラヴェルのソナチネ。
上品で美しい旋律を大崎さんは魅力的に奏でていました。
フランクのプレリュード、コラールとフーガロ短調は、
人の孤独感や葛藤、苦悩を表し、またそこからの開放を大崎さんは音色も顔の表情も、全身で見事に表現されていました。最後はダイナミックに。
ご本人は、この曲は譜めくりをしている間もなく、それよりも暗譜した方が早いとおっしゃっていました。しかしその慌ただしさを感じさせない、優雅な演奏には皆さま引き込まれるものがあったのではないでしょうか。
アンコール
プーランク:エディットピアフを讃えて
ずーっと心地よい幸せな感覚で聴いていましたが、
気がつくと、コンサートもアンコールの曲に。
それは、プーランクの「エディットピアフを讃えて」。
この曲はお好きな方も多いですよね!
そして、7月14日のパリ祭にピッタリの曲でした!
演奏後には、ナイス!とブラボー!の声が拍手と共に聴こえてきました。
次回
あっという間の2時間で、もっと聴きたい!まだ聴きたい!と、名残惜しく終演となりました。
次回はいつ?と大崎さんにご挨拶されながら帰られる方も。
次回は、春頃をお考えくださっています。
どうぞお楽しみに……