この日はお客様の期待度が高いのか?
開場と共にたくさんの方が入場されて、あっという間に席が埋まりました。
開演、静まり返ったホール。
舞台袖では日高さんが、身体を軽く動かし、手を合わせ集中・・・
プログラム
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第14番 作品27-2 嬰ハ短調
第1楽章 Adagio sostenuto
第2楽章 Allegretto
第3楽章 Presto agitato
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番 作品109 ホ長調
第1楽章 Vivace, ma non troppo
第2楽章 Prestissimo
第3楽章 Gesangvoll, mit innigster Empfindung
Andante molto cantabile ed espressivo
バッハ=ラフマニノフ
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ
第3番 BWV1006ホ長調より「プレリュード」
クライスラー=ラフマニノフ 「愛の悲しみ」
ラフマニノフ コレルリの主題による変奏曲 ニ短調 作品42
静寂の中、月光が静かに響きます。
日高さんの演奏は、一音一音が際立って聴こえ、それでいてまとって美しく旋律で聴こえてきました。
情感たっぷりの曲の時には、日高さんが鍵盤に語りながら弾いているかのような表情でした。
後半も美しい演奏は続きます。
バッハ=ラフマニノフのヴァイオリン曲には
「バッハのヴァイオリン曲はヴァイオリンのソロパートのみでもピアノで弾くことがとても難しいのに、ラフマニノフは何と言う編曲をしたのでしょう!!日高さんのテクニックに驚くばかりです。」とコメントをくださったお客様もいらっしゃります
愛の悲しみの後には、お客様から、「「「Nice!」」」の声が飛びました。
この曲、クライスラーが愛の悲しみという曲名をつけたそうですが、悲しみを感じない程美しい曲です。
終始、偉大な作曲家の魂に迫る演奏。
アンコール
全プログラムの演奏を終えて、日高さんは、一言ご挨拶をくださりました。
そして、「脚がつりつつあるけど、アンコールに」と、もう一度、バッハ=ラフマニノフのプレリュードを弾いてくださいました。
演奏家は、傍から見ている以上に演奏中に脱水状態になるようです。有名なヴァイオリニストは、脱水防止のためにコンサートの舞台に上がる直前に漢方薬を飲むと言われていました。
日高さんも演奏前にスポーツドリンクをいつもたくさん飲んでそれに備えていますが、今回はいつも以上にきっと熱がはいったのではないでしょうか?
お客様の声
音大でピアノの先生をされているお客様も『日高さんの演奏、ピアノ、ホールが一体化し、素晴らしかった』とお言葉をいただきました。
お客様は、次のコンサートへ向けて様々な期待を膨らませていらっしゃいました。
- 次の日高さんのコンサートではシューベルトが聴きたい、
- 日高さんのショスタコーヴィチが聴きたい
- ベートーヴェンの初期や中期のソナタを弾いてくれるのかな?
- 日高さんは、次回は、いつ頃、何を弾かれるのかワクワクです
お知らせ
皆様の期待を裏切らず、なんと、次回が早くも決まりました🎉
次回は11月3日!
全4回(2025年3月2日、7月6日、11月2日)のコンサートの幕開けです。
詳細は追ってお知らせいたします。
ぜひ日程だけでも空けてお待ちいただければ幸いです。
演奏者プロフィール
日高志野/ Shino Hidaka
東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を経て、同大学大学院修士課程を修了。 第5回エミール・ギレリス記念国際コンクール日本人初優勝、第17回サンノゼ国際コンクール第2位(アメリカ)他、国内外のコンクールで多数入賞。 これまでにロシア、ウクライナ、グルジア、アルメニア等世界各地で演奏。ロシア各地のフィルハーモニーに加え、藝大フィル、オデッサ・フィルハーモニア管弦楽団、ウラルシンフォニーオーケストラ等、国内外でソリストとしてオーケストラと多数共演。 文化庁新進芸術家海外研修制度、ローム・ミュージックファンデーションより助成を受け、ロシア国立チャイコフスキー記念モスクワ音楽院にて研鑽を積む。ユーリ・スレサレフに師事。 日本へ帰国後もロシアとの深い交流は続き、コンサートに招聘されている。